フェムテックブランド紹介~Trendix~

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明けましておめでとうございます。本年もFemOne(フェムワン)をよろしくお願いいたします。
2023年第1回目のブログはフェムテック企業の紹介から始めたいと思います。今回は吸水ショーツブランドのTrendix(トレンディックス)をご紹介いたします。

Trendix誕生の物語

吸水ショーツブランドのTrendix。
先ずはその誕生物語なくしてこのブランドは語れません。
Trendixの創業者であるJoy.Baikは、ボランティア活動でエチオピアを訪問した際、衝撃的な光景を目にしました。

質問です。「エチオピアの貧困層家庭に生まれた少女たちはどのような生理用品を使っていると思いますか?」
現地の少女たちは古い布や樹木の皮、古いマットレスの破片、拾った鳥の羽など、ありったけのものを生理用品として使っていたのです。
これは大昔の話ではなく、2019年にアディスアベバを訪問した際の話しです。

生理用品を買う余裕もなく上述のようなものでは当然ながら経血の漏れを防ぐことはできません。
そして彼女らは羞恥心で学校をやめてしまうのです。

エチオピアにも夢を持っている子供たちがいます。
カルキダンという少女がまさにそうでした。同じ年頃の子供たちは父親が不明な場合がほとんどで、路上で物乞いをしたり、高さ40メートルもあるゴミ山であき缶を拾う際に腕を失う子もいました。
魚の腐ったような独特な悪臭、汚染された空気、異常な暑さ・・・その中で夢を持つことは難しく思えました。しかし彼女には夢がありました。
彼女の夢は「学校の先生になること」でした。エチオピアではとても野心にあふれた夢です。その夢が生理のために叶えられない世の中は嫌でした。
「この状況をすべての人に知ってもらいたい!」
これがTrendix誕生の瞬間となりました。

なぜ吸水ショーツだったのか?

それではなぜ「生理の貧困」を解決するためのソリューションとして吸水ショーツを選んだのでしょうか?

繰り返し使えるため使い捨て生理用品と比べ圧倒的に経済的である。

海岸に面していない内陸国のエチオピアでは、ナプキンやタンポン等の物資を寄付するにも非常にコストがかかります。
切実なニーズは増える一方で、外国から入る使い捨ての生理用品を高値で仕入れ配布するには限界もあり、持続的な問題解決には至りません。
その点、繰り返し使える吸水ショーツは圧倒的に経済的でした。

ただ履くだけなので少女たちの心理的ハードルや健康リスクが低い。

吸水ショーツ以外にも繰り返し使える月経カップも検討しましたが、衛生状態が悪いため体内に入れることによる健康リスクがありました。(*月経カップとは、生理中に膣に直接挿入し、経血を溜めて使うカップタイプの生理用品のこと。)
少女たちの心理的なハードルも高く衛生的にも適してはいませんでした。

乾燥した熱帯地域なのでショーツを洗ったらすぐに乾く。

最後に、洗って繰り返し使う吸水ショーツにおいて、「すぐ乾く」気候というのも吸水ショーツが適している理由となりました。
このようなことからエチオピアで持続的に生理の問題を解決するには吸水ショーツが最も適しているということで開発が始まったのです。

困難を伴った開発過程

ただ、吸水ショーツの開発は口で言うほど簡単ではありませんでした。
環境と肌に良い素材選び、しっかり水分を吸収する4層の技術、暑い国でも快適に過ごせる通気性、それらを美しくデザインするファッション性、倫理的な工場選び、200種以上に及ぶプロトタイプの試着、試着チームには自分の12歳の娘にも加わってもらいました。

そして3年近い月日を経てようやく生理の日でも普通の日と同じように安心して過ごすことが出来、女性が健康的で美しくなる技術を詰めた吸水ショーツを作ることが出来ました。
更に適切なケアを行えば約4年間(洗濯200回相当)繰り返し使えることが公的機関により証明されたため、生理の問題を持続的に解決する大きな一歩となったのです。

Trendixの社会的責任「1枚売れたら1枚エチオピアへ寄付」

Trendixでは1枚売れるごとに1枚エチオピアへ寄付することをミッションとして活動しております。
本当にステキなブランドだと思います。
それではプロジェクトがどのように進んで来たのかを簡単にご紹介いたします。

成熟した国の協力が必要

先ず、吸水ショーツを「生理の貧困」地域へ届けるには、健康や環境に気を配ることが出来、自分への投資を甘受出来る成熟した国の協力が必要でした。
そのためプロジェクトはアメリカからスタートし、アメリカの女性に満足頂ける美しいデザインと機能を備えた商品設計にしております。

そして先進国で普及するために必要なのが『客観的評価』でした。
開発過程での努力の甲斐もありTrendixのショーツは世界的な有名紙である【ニューヨークタイムズ】の優秀賞を受賞することが出来ました。2021年9月の出来事です。

更に、韓国ドラマ【産後ケアセンター】に登場したソウル一流のケアセンターに展示・納品の実績が出来、日本でもクラウドファンディングを成功させ、フォーブスジャパンに紹介されるなど、今ではアジアでも少しずつ認知度が広がっている現状です。

どうやって届け、どう少女たちに定着させる?

吸水ショーツの届け方と定着方法については、エチオピアに支援スタッフが駐在している「HAPO KOREA」が協力を担います。(羊の飼育を通じて現地の人々の持続可能な自立を支援し、学校の運営も行っている支援団体。)

吸水ショーツはエチオピアへのフライトの手荷物に詰め込み現地まで運びます。
先進国とは異なり宅配では税関職員等による盗難や没収があり得るためです。
現地到着後は一人当たりショーツ2枚を配布し、使い方を教えるトレーニングプログラムを実施します。現地の家庭には洗濯機がないため洗い方を教える必要があるためです。それでこそ4年間繰り返し使うことが可能になります。

フォーブスジャパンに紹介された記事

ショーツを洗うキレイな水は?

村の悲願であった綺麗な水を提供するプロジェクトを成功させたのが前述のHapo Korea Charity Associationです。
土を掘り約2キロという距離をパイプでつなぎ、村の方々の協力も得ながら学校や村の中心地に水を届ける一大プロジェクトでした。

綺麗な水が提供されることにより吸水ショーツを洗って繰り返し使える環境が整ったのです。

初めて届けた日!

キレイな水も出るようになり、Trendixの知名度も増してきて少しずつ売れ始め環境は整いつつありましたが、それではすぐに届けることは出来ませんでした。
コロナによる渡航制限です。

そして2022年5月25日!

そして徐々に制限が解除される中、2022年の5月。
ついに厳しい時期を乗り越え、ようやく初めてエチオピアの少女たちの手にTrendixの吸水ショーツが届く日が来ました。

まだまだ生理によってつらい思いをしている少女はたくさんいます。
Trendixは今後も自社のミッションに沿い、売上に応じた寄付を続けていくことでしょう。

ついにエチオピアにTrendixの吸水ショーツが!

まとめ

フェムテックブランド紹介第1弾としてTrendixを紹介させて頂きました。
とても志の高いブランドですね。
FemOneでも少しでも「生理の貧困」が解消すべく、吸水ショーツはTrendixだけを推しています。
もちろん機能や素材なども確認した上でステキなブランドだと思っております。
機会ありましたら是非おためし下さいね!

トレンディックスの商品ページ

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